夕日が沈むころ、アザーンが流れてくる。
私が初めてイスラムの世界に触れたのは、そんな場所でした。

熱帯果樹を学びに、マレー半島へ
大学で熱帯果樹を学んでいた私は、農業実習のためにマレー半島へ渡りました。1年間を過ごしたのは、タイとの国境に近いケランタン州。コタバルのさらに奥にある、ジェリという町です。
そこは、イスラムがとても濃い地域でした。一緒に働くワーカーは、全員がイスラム教徒。私はイスラム教徒ではなく、最初は何もわかりませんでした。
何もかもが、初めてだった
言葉はマレー語。最初は、ほとんど通じませんでした。
朝と夕方に流れるアザーン。とくに、夕日とともに流れてくる声が、いまも印象に残っています。女性たちがヒジャブをかぶる姿も、そこで初めて見ました。
食事も、日本とはまったく違いました。豚肉は一切ない世界。スーパーマーケットはなく、買い物は市場です。コタバルの市場へ行って、食材を買っていました。

ジャングルでは、野生の象がごく身近な存在でした。私が過ごしていたエリアでは野生象がよく出るため「象注意」の標識が立っていました。象は、日常にいたのです。今、考えるとかなり危険なエリアです。
朝、サンダルでサソリを踏んづけてびっくりしたことも。驚いたのはサソリでしょうが。

熱帯果樹を学ぶ日々のなかで、シーズンになるとドリアンを毎日のように食べていました。あの味は忘れられません。

「暑いのに、大変そう」
ヒジャブをかぶる女性たちを見て、当時の私は「暑いのに大変そうだな」と思っていました。正直に言えば、それ以上のことは、何も感じていませんでした。
私がヒジャブに出会った頃のお話です。
次回もお楽しみに😊